「おぼえる」という言葉には多くの意味があります。
一般的に「覚える」を使えば十分ですが、場合によっては「憶える」を使うことで、より深い感情を表現することができます。
この記事では、「覚える」と「憶える」の違いや意味、使い分けについて説明します。
「覚える」の意味と使い方
「覚える」には「記憶する」「習得する」「感じる(知覚する)」など、さまざまな意味があります。また、少し古風な表現ですが「思われる」という意味で使われることもあります。
– 「記憶する」と「習得する」の違いは微妙ですが、前者は「脳にとどめる」、後者は「体得する」と考えると理解しやすいです。
例:
- 年号を語呂合わせで覚える。
- 車の運転を覚える。
- 心霊スポットへ行ったら、真夏なのに寒気を覚えた。
- 彼の言葉に怒りを覚えました。
「憶える」の意味と使い方
「憶える」は「記憶する」の意味で使われます。「覚える」と同じ意味を持ちますが、「憶」は「心」から転じた「りっしんべん」を持つため、「感情や思考に深く刻みつける」というニュアンスがあります。
例:
- 昔のことの方が、よく憶えているものだ。
- 小学校時代に先生から言われた言葉を、いまだに憶えている。
「覚える」と「憶える」の違い
「覚える」には「記憶する」以外にも「習得する」「知覚する」などの意味がありますが、「憶える」は「記憶する」という意味だけです。
そして、「記憶する」の意味で使う場合、「憶える」のほうが心の深い部分に刻み込むニュアンスがあります。
しかし、学校の漢字テストでは「憶える」と書くと不正解になることがほとんどです。
これは常用漢字表に「憶える(おぼえる)」という読み方がないためです。
したがって、子どもに漢字を教える際は「憶える」ではなく「覚える」と教えるほうが無難です。
まとめ
- 「覚える」は「記憶する」「習得する」「知覚する」など、さまざまな意味で使われる。
- 「憶える」は「記憶する」の意味で使われるが、常用漢字ではないため教科書や公文書には使われない。
- ビジネスシーンでは「覚える」で十分ですが、感情を伝える場合には「憶える」を使うほうが適切なこともあります。
迷ったときは、知識などには「覚える」、思い出には「憶える」を使うようにしましょう。